前章 >> 平成28年度診療報酬改定の基本方針のまとめ
D 調剤報酬改定
[社会保障2]28年度診療報酬改定 審議資料(財務省)のまとめ
[財務省の診療報酬改定に関する審議資料]
平成27年10月30日開催 財政制度分科会資料一覧
財務省
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia271030/01.pdf
資料1 社会保障②(28年度診療報酬改定、子ども・子育て)
通常、財務省からは予算案に基づく大まかな数字が提示され、それを実現するための具体的な改定案が厚生労働省より提案されて審議される。
ところが、この資料には「調剤基本料」「調剤料」「薬学管理料」などの非常に具体的な改革案が示されている。
このような具体的で細かい項目を財務省が提案するのは、異例と思ってよい。
もしも、この改革案を作成するにあたり厚生労働省が協力していると仮定するなら、確認しておくべき資料である。
(なぜなら、厚生労働省の考えが反映されているから。)
[この資料のポイント]
P.32-37
<調剤報酬に係る改革の具体的な方向性>
調剤基本料:
・調剤基本料(狭義)について、「大型門前薬局」を念頭に低い点数が設定されている「特例」の対象拡充や点数の引下げ。
〈P33〉調剤基本料(狭義)については、処方箋の受付やピッキング業務に集中して収益をあげる現状を是正し、面的分業などの質的充実を図る観点から、いわゆる「大型門前薬局」を念頭に低い点数が設定されている「特例」の対象拡充や点数の引下げを図るべき。
・後発医薬品調剤体制加算について、数量シェア目標引上げに対応した閾値の見直し、加算水準の引下げ、取組が不十分な薬局に対する減算措置の導入。
〈P33〉後発医薬品調剤体制加算については、足元の数量シェアの上昇を踏まえつつ、後発医薬品の使用を一層強力に推進していく観点から、数量シェア目標の引上げに対応した閾値の見直しに加え、全体として加算水準を引き下げるとともに、取組が不十分な薬局に対しては減算措置を設けるべき。
・基準調剤加算について、真にかかりつけ薬局として求められる機能を発揮している薬局を評価。現行の24時間調剤体制の整備等の形式的な要件ではなく、取扱医療機関数(集中率)、備蓄の状況、夜間・休日対応の実績等を踏まえた要件の設定。
〈P35〉このため、基準となる①集中率要件の大幅な引下げ、②備蓄数の引上げなどの算定要件の厳格化、③24時間体制について、連絡先電話番号等の交付といった形式的要件ではなく、夜間・休日対応の実績を要件とする等の見直しを行うべき。
調剤料:
・投与日数や剤数に応じて点数が高くなる仕組みの抜本的な見直し。
〈P36〉今日の業務の実態や技術進歩(PTP包装の一般化、全自動錠剤分包機の普及など調剤業務の機械化等)を踏まえれば、調剤料の水準を全体として引き下げるとともに、投与日数や剤数に応じて業務コストが比例増することを前提にした調剤料の仕組みを見直し、院内処方と同様に投与日数や剤数にかかわらず定額とすべき。
28年度改定においては、激変緩和の観点から、まずは、全体の水準を1/2程度に引き下げつつ、投与日数に応じて点数の伸びが逓減していく配分とし、段階的に定額化を進めるべき。
・一包化加算について、点数を大幅に引き下げつつ、投与日数に応じて点数が高くなる仕組みの廃止。
〈P36〉一包化加算(約600億円)については、作業の機械化が進んでいること等を踏まえ、点数を大幅に引き下げつつ、投与日数に連動した点数配分を廃止すべき。
薬学管理料:
・薬剤服用歴管理指導料について、真にかかりつけ薬局として求められる機能を発揮している薬局を評価。継続的・一元的な管理指導を行う薬局に限り算定できるよう、要件の厳格化。
〈P37〉このため、服薬指導の意義、患者にとっての利点やこれまでの管理指導による具体的な成果等について分析を行った上で、真に効果的に、継続的かつ一元的な管理指導を行っている薬局に限り、高い点数が算定されるよう、適用要件の厳格化を図るべき。
以上
次章 >> 調剤報酬② [中央社会保険医療協議会の議事録や会議資料] 第317回 2015年12月4日(平成27年12月4日) 1 調剤報酬(その2)についてのまとめ
D 調剤報酬改定 ナビゲーション
[社会保障2]28年度診療報酬改定 審議資料(財務省)のまとめ ←今ココ
調剤報酬② [中央社会保険医療協議会の議事録や会議資料] 第317回 2015年12月4日(平成27年12月4日) 1 調剤報酬(その2)についてのまとめ
[患者のための薬局ビジョン]~「門前」から「かかりつけ」そして「地域」へ~のまとめ
↓ もし良かったら、この記事をシェアしていただけると嬉しいです。