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D 調剤報酬改定
[調剤報酬改定2016 情報編]
このコンテンツでは、調剤報酬改定の情報について考察する。
通常、診療報酬の改定は、12月初旬に社会保障審議会医療保険部会及び医療部会より基本方針が出され、中央社会保険医療協議会(以下、中医協)で審議される。その後、2月中旬に厚生労働大臣に対し診療報酬改正案が答申され、3月上旬に官報に告示。4月1日より実施される。
つまり、3月上旬に告示されるまでは、確定した情報は誰もわからない。
では、告示までは何も情報収集しなくてもよいのだろうか?
私は、何が議論されているかは知っておくべきだと思う。
それは、自分の薬局の中長期的戦略を考える際に、非常に重要なことだからである。
また、それまでに公表された資料から、次回改定内容の予測もある程度できよう。
調剤報酬の改定の情報を勉強することには、2つの意味がある。
1つは、国(厚生労働省)の考えを知るということ。
そして、いま1つは、日本における医療の問題を認識するということである。
調剤報酬改定の議論は、正にこの2つを整理し、段階的に対策を練っていると考えてよい。
これらを勉強することは、薬局経営上の戦略だけでなく、患者さんに対する真のメリットを考えることにもなるだろう。
調剤報酬改定に関する情報の多くは、基になるデータを引用し、ライターの感想・所感を付け加えるというものである。
このコンテンツで紹介する情報は、その基になるデータである。
それでは、今(2016年1月)知っておくべき情報を紹介する。
【今、知っておくべき情報-2016年1月】
[診療報酬改定の基本方針]
平成27年12月7日 社会保障審議会医療保険部会・社会保障審議会医療部会
厚生労働省http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106421.html
平成28年度診療報酬改定について
※中医協で審議される「平成28年度診療報酬の基本方針」がこの資料である。
[財務省の診療報酬改定に関する審議資料]
平成27年10月30日開催 財政制度分科会資料一覧
財務省
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia271030/01.pdf
資料1 社会保障②(28年度診療報酬改定、子ども・子育て)
※財務省からこれだけ具体的な調剤報酬改定の考えが示されたのは、異例である。
[中央社会保険医療協議会の議事録や会議資料]
第317回 2015年12月4日(平成27年12月4日) 1 調剤報酬(その2)について
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000106118.pdf
※中医協総会にて使用された資料。
中医協では医療制度の各テーマについて論議されるが、その内の調剤報酬の論議で使われたもの。
★もっと勉強したい方は、プラス下記の資料を。
第311回2015年11月6日(平成27年11月6日) 個別事項(その4 薬剤使用の適正化等について)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000103301.pdf
[患者のための薬局ビジョン]
平成27年10月23日
医薬・生活衛生局総務課
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000102179.html
※厚生労働省で作成された薬局のビジョン。
医薬分業の原点に立ち返り、現在の薬局を患者本位のかかりつけ薬局に再編するために作られた。
審議資料にも頻繁に引用されており、薬局のあり方を示した資料である。
本ビジョンでは、患者本位の医薬分業の実現に向けて、服薬情報の一元的・継続的把握とそれに基づく薬学的管理・指導、24時間対応・在宅対応、医療機関等との連携など、かかりつけ薬剤師・薬局の今後の姿を明らかにするとともに、中長期的視野に立って、かかりつけ薬局への再編の道筋を示している。
厚生労働省では、本ビジョンを踏まえ、かかりつけ薬剤師・薬局の推進を図り、患者・住民から真に評価される医薬分業の速やかな実現を目指すとしている。
調剤報酬改定に関係なく、必読の資料。
PDF ○患者のための薬局ビジョン 概要(PDF:2,562KB)
PDF ○患者のための薬局ビジョン~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~(PDF:817KB)
PDF ○患者のための薬局ビジョン 参考資料(PDF:1,409KB)
[おわりに]
以上、今知っておくべき情報を紹介した。
資料を読まれた方は、厚生労働省の考えの大筋を理解いただけたと思う。
また、調剤報酬の改定におけるキーワードのヒントも出ていた。
なお、時間が足りない薬剤師のために、私自身がまとめた上記資料の要約も掲載していく。
(あくまでも、私が個人的に重要だと考えた部分をまとめたものである。)
これらの資料が、あなたの薬局の調剤報酬改定の対応に役立てば幸いである。
以上
次章 >> 平成28年度診療報酬改定の基本方針のまとめ
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[調剤報酬改定2016 情報編] ←今ココ
[社会保障2]28年度診療報酬改定 審議資料(財務省)のまとめ
調剤報酬② [中央社会保険医療協議会の議事録や会議資料] 第317回 2015年12月4日(平成27年12月4日) 1 調剤報酬(その2)についてのまとめ
[患者のための薬局ビジョン]~「門前」から「かかりつけ」そして「地域」へ~のまとめ
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