[調剤報酬改定 対応編]


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[調剤報酬改定 対応編]

 

 

 

このコンテンツでは調剤報酬改定に対する薬局の対応について考察する。

 

2年に一度改定される調剤報酬の項目や内容は、当然、毎回異なる。

本来、改定部分に対する具体的な対応は、その内容によって変わるはずである。

しかし、改定内容が異なっていても、毎回共通して実施するツボや手順がある。

今回、考察するのは、この「対応」のツボである。

 

 

 

[①「情報の入手」と「現状の把握」]

まず、「情報の入手」と「現状の把握」である。

これは、いろいろな問題の対策を立案する際の原則である。

具体的には、4月1日より何が変わるのか、その項目は、現在どのような状態なのかということ。

調剤報酬の改定内容については、ネットや医薬系雑誌などにより多くの情報が発信される。

※これらの情報の入手と整理については、[調剤情報改定2016 情報編]を参照いただきたい。

その中から、改定内容のメインの項目を抽出する。

そして、その項目が今どのような状態なのかを把握する。

 

例えば、「後発医薬品の促進」が改定の大きな目玉になっており、その使用比率によって報酬が変化する場合、あなたの薬局の後発医薬品の使用比率を確認するのである。

そのときに大切なのは、薬局における後発医薬品の使用比率が低かった場合である。

もし、後発医薬品使用比率を上げるなら、どのようにするかを具体的にシュミレーションするのである。

このシュミレーションの内容は、薬局の対応策の基本方針となる。

これをできるだけ、簡単にまとめる。(できればA4一枚。)

ちなみに薬局の現状については、レセコンで把握できるだろう。

 

 

 

[②門前の医療機関(医師)との打ち合わせ]

②の内容は、主として開業医の門前薬局の場合を想定している。

薬局の基本的な方針は、門前の医師と打ち合わせをしておくのが正解。

医師との打ち合わせの結果、薬局の方針を修正する可能性があるため、告示から実施までの間に行う。

このとき、基本方針をわかりやすく説明するために、①で作成したシュミレーションのまとめを使う。

 

打ち合わせの際に重要なのが、医科の改定内容である。

医師側も当然、対応や方針を考えている。

医科の改定内容のうち、薬局に関係する部分については、対応や方針を共有しておけば、4月の実施以降もスムーズに連携しやすい。

医科向けの診療報酬改定内容のうち、薬局に関係する部分「投薬」「外来診療」などは、内容を把握しておきたい。

 

 

 

[③情報交換]

これは、他の調剤薬局との情報交換を意味する。

なぜ、これが重要かというと、第一に解釈についての問題が解決できることである。

この改定は、こういう意味だと自分では解釈したが、実は間違っていた。という事例は、しばしば発生する。

または、改定内容自体が理解できないなども起こり得る。

 

第二に多くの対応策が勉強できること。

いろいろな選択肢や考え方を知るためである。

このような情報交換のためにも、普段から他の薬局との関係性を良くしておきたい。

 

なお、この項目は順番は③としたが、シュミレーションを行なったら、すぐに実行したい。

 

 

 

[④スタッフミーティング]

スタッフミーティングは、調剤報酬改定の内容とその具体的な対応について情報を共有するために行うのだが、その目的は3つある。

1)患者さんへの説明

2)スタッフのレセコン操作

3)門前の医療機関との連携

 

改定の内容により、患者さんへの説明が必要な対応が発生する。

特に説明が難しい項目は、薬剤師全員が必ずロールプレイングをする。

 

レセコン操作については、関係会社からのインストラクターが説明に来局するケースもあるだろう。

しかし、改定の内容を説明することで、レセコンの変更点や操作の意味を理解することができる。

つまり、レセコンの操作の変更がスムーズにできるということ。

 

また、改定内容により、門前の医療機関と連携して対応するケースがある。

この場合に、スムーズに連携するために、医療機関と薬局スタッフ双方で打ち合わせをしておくのである。

これは、患者さんの心配を取り除き、待ち時間を長くしないための事前対策といってよい。

 

なお、ここでも①で作成したシュミレーションのまとめを配布資料として、ミーティングで活用したい。

 

 

 

[⑤Q&A]

調剤報酬の改定は4月より実施される。

そして、施行後、厚生労働省よりQ&Aが発信される。

正式には「疑義解釈資料の送付」という。

日本薬剤師会雑誌にも掲載されるが、厚生労働省のホームページで閲覧可能である。

これは、実施後に寄せられた代表的な質問・解釈についての公式の解答である。

非常に重要なので、必ず熟読しておくこと。

 

 

 

[⑥薬局の中・長期的戦略]

最後に、最も重要な対応を述べる。

この内容は、薬局の経営者・管理薬剤師が対象になる。

調剤報酬の改定は、厚生労働省がデザインした基本的な政策が基になっている。

つまり、改定の内容・目的を真に理解するためには、この基本的な政策を知らなければならない。

この政策には、日本の医療の方向性と問題点が盛り込まれている。

これに、自分の薬局の夢や方針を擦り合わせる。

さらに、生き残るための方法を練り込む。

こうして現実的な薬局の戦略が完成していく。

調剤報酬の改定は、自分の薬局の中・長期的な戦略を考える絶好の機会なのだ。

 

 

 

[まとめ]

「情報の入手」→[調剤報酬改定2016 情報編]参照

   ↓

「現状の把握」→該当する項目をレセコンで確認

   ↓

「シュミレーション」→具体的かつ簡単にまとめる(A4一枚程度)

   ↓

「門前の医療機関との打ち合わせ」→「医科」の改定も予習する

   ↓

「情報交換」→情報交換できる薬局を増やそう

   ↓

「スタッフミーティング」→改定内容と薬局の対応を説明

   ↓         ・患者さんへの説明

   ↓         ・レセコン操作

   ↓         ・門前の医療機関との連携

   ↓

「Q&A」→「疑義解釈資料の送付」

   ↓

「薬局の中・長期的戦略」→薬局の方針・展望を考える機会である。

 

 

 

以上、調剤報酬改定に対する「対応」を説明してきた。

初めて経験するあなたはもちろん、ベテランの方も手順の確認に活用いただければ幸いである。

 

 

以上

 

 

当サイト内の関連記事にリンクしておくので、参考にしていただきたい。

リンク先:【管理薬剤師の裏技】「調剤報酬改定の対応の裏技」

(ここでは、管理薬剤師が公示後に必ず読んでおきたい資料の紹介と対応に支障がないようにスタッフミーティングの実施を提案している。)

 

 

 

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