[第8章 サービスの実例]


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 A  調剤薬局で患者さんを増やす方法 

[第8章 サービスの実例]

 

 

いわゆる「細やかな配慮」「気が利くサービス」の実例を紹介する。

すべて、私の薬局で実際に行ったものである。

この中には、女性スタッフから提案、気づきから生まれたものも多い。

あなたの薬局で、このようなサービスを考えるなら、是非、女性の視点を大切にしてほしい。

 

 

・FAXの礼儀

日常、医療機関とFAXをやり取りすることは多い。

このとき、送信先にFAXが届いたかどうかを確認する人は案外少ない。

「FAXを○○番に送信しました。届いておりますでしょうか?」

この1本のTELがあなたの評価を高める。

 

 

・TELの基本動作

サービスではなく基本動作なので載せるべきかどうか迷ったが、参考のため紹介する。

開局当初、私の薬局ではこれができていなかったのである。

それは、「名前の確認」である。

自分の名前を名乗らずにTELをかけてくる人がいる。

ほとんどは患者さんの質問か、不動産などの業者の営業だが、この時に必ず氏名を確認すること。

特に医療機関からのTELを受けた場合は、自分の氏名を申し上げた後に所属と氏名を確認すること。

いずれの場合も、聞きながらメモする。

これは、トラブルを回避するための基本動作である。

 

 

・FAXで処方せんが届いた場合のひと工夫

薬局にFAXで処方せんが届いた場合は、FAXが届いた時間と患者さんが来局された時間を記録する

このパターンを把握しておくと、調剤の順番や薬が変更された場合の対応に非常に役立つ。

細かな注意だが、FAXを受診したときに時間を確認すること。

FAX用紙には原則的に送信先の情報と時間が印字されているのだが、まれに時間がおかしいケースがあるためである。

 

 

・大型連休前の対応

ポピュラーなサービスだが、盆暮れ・ゴールデンウイークにはお休みの連絡を行う

薬袋に休む予定を印刷するか、お知らせカードを作成してお渡しする。もちろん、口頭でも確認する。

高齢者が多い薬局では、お知らせカードの字の大きさに配慮する。

門前以外の医療機関、特に病院の場合は、次回の受診日が休み中かどうかの確認が重要である。

3か月分のような長期処方のケースがあるからだ。

 

 

・処方せんの内容に問題がある場合

処方せんの内容に問題があり、医療機関に疑義照会するケースがある。

この場合は、まず患者さんに説明する

基本的には、すべて正直に説明して、疑義照会を行う。

病院への連絡では、医師に確認するのに時間がかかるケースがあるためだ。

医療機関の単純ミスの場合は、「処方せんの内容で念のために確認しておきたいことがあるので、少しお待ちください。」

と説明するが、患者さんから内容の説明を求められた場合は正直にお話する。

説明をキチンとしておけば、疑義照会で時間がかかっても問題になるケースは少ないだろう。

これは、ほとんどの薬局で実施されていることだろう。

しかし、待ち時間や順番が変更になったことを患者さんに納得いただく説明であるため、あえて記した。

 

 

・待ち時間について

患者さんが薬局に対してもっとも不満を抱きやすい課題である。

原則は受付の順番通りに用意する。

これが、もっとも公平な方法であるのだが、実際には例外が発生する。 

 

①体調が非常に悪い患者さん(例:インフルエンザ)

この場合には、この患者さんを優先する。

他の患者さんに「順番が変わりますがご了承いただきますようお願いいたします。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」

とアナウンスして、順番を変える。

 

②用意(調剤)に長時間かかる患者さん

この場合には、この患者さんの次の患者さんを優先する。

例えば、多種類の一包化と軟膏の混合が一緒に処方されたような場合には、その患者さんに簡単に調剤方法を説明し順番を変更する。

疑義照会の場合も同様である。

 

書籍などでよく書かれているのは、雑誌や患者さん向け資料、血圧計の設置、疾患等の啓発用DVDを流すなどの工夫である。

医薬関連の情報を提供することにより、何もせずに待つ時間を減らそうという作戦である。

待ち時間や患者数を提示している薬局もある。

いずれも患者さんの心理的な待ち時間を減らす効果がある。

私の経験では、もっとも注意するべきことは、業務ミスを減らすことである。

どんどん処方せんが来る。患者さんはイライラしている。こういう時に限ってややこしい内容だ。

焦ればミスが発生しやすくなる。

ミスをすれば、本来必要のないミスの処理業務が増える。患者の待ち時間がさらに増える。

この時に、業務を管理する司令塔(例えば管理薬剤師)は「動く前に深呼吸する」ことをスタッフ全員に指示してほしい。

2~3回深呼吸するだけで、落ち着く。

 

次に大切なのは、薬局のスタッフ全員が動いていることである。

全員が動いている場合は、患者さんからの待ち時間のクレームは少ない。

スタッフに指示を出す司令塔は、常に薬局全体に注意をはらうべきである。

患者さんはあなたが考えているよりもよく見ている。

もしも、空いている手があれば、即座に指示を出して業務をできるだけ効率よく進める。

結局、この2つが患者の待ち時間を減らす最良の方法だと思っている。

 

 

・薬がない場合

新患さんが門前以外の医療機関の処方せんを持って来局されたとする。

そこには、あなたの薬局では未採用の薬が処方せんに書かれている。

あなたは、どのように対応するだろうか?

もちろん、薬の種類や曜日や時間によって微妙に対応は異なるだろう。

場合によっては、他の薬局をお薦めする場合もあるかもしれない。

ここでは、「薬がない場合」を考えるが、対応の基本は「患者さんのメリットを考える」ことである。

言い換えると「患者さんにとってベストな対応」をコンサルティングするのである。

例えば、処方内容が風邪の薬であった場合、ほとんどの場合なるべく早く飲みたいはずである。

あなたの薬局で薬を取り寄せたら、代理店の都合によるが半日から2日(薬局により異なる。)ほどかかるはずだ。

この場合には、患者さんがもっとも時間的に早く入手できる方法を提案するべきである。

逆に続けて服用している薬であり、家にも薬が残っている場合なら、取り寄せるべきだろう。

どうするべきかは、いろいろな要素を考えて判断し、最終的には患者さんと相談して決める。

患者さんの希望は第一に考えるべきだが、薬剤師は患者さんにとって何がベストかをアドバイスしなくてはならない。

その時に考えるべき要素とは何か?確認しておくと判断しやすい項目を挙げる。

 

→薬の緊急性(いまの症状はどうか、すぐに服用するべきかどうか)

→いつ薬が用意できるか(確実に配達される最短時間)

→薬局との位置関係(患者さんの住所、薬の受け渡し場所)

→薬の受け渡し(患者さんのこれからの予定など)

→お金はいついただくか?

→患者さんの移動手段(他の薬局を紹介する場合)

 

 

・「タクシーを呼んでください。」

薬局では、普通に頼まれる患者さんからの依頼である。

このときにはまず「どこのタクシー会社がよろしいですか?」をお聞きする。

タクシーの手配が終了したら、「タクシーの連絡がつきました。」旨を患者さんに報告する。

このときに患者さんがTEL代を出されたら「気持ちだけありがたくいただきます。」と対応する。

さらに急に天候が崩れた場合、年末などの混雑が予想されるときは、どれくらいで配車されるかを確認しておくこと。

 

 

調剤薬局におけるサービスの切り口は無限にある。

ヒントは日常に転がっている。

家族で訪れたレストランで自分がうれしいと感じたサービスを取り入れたらどうか?

混雑しているときに、このフライドチキンの店はどのような工夫をしたか?

ケン○ッキーで待っているときにも、ヒントはつかめるのである。

 

 

次章 >> [第9章 おわりに]

 

 

 

A 調剤薬局で患者さんを増やす方法 ナビゲーション

[第1章 はじめに]

[第2章 調剤薬局に集客が必要なワケ]

[第3章 患者さんがどんなことに不満や満足を感じるか?]

[第4章 患者さんに接するときの基本方針]

[第5章 クレーム・調剤過誤]

[第6章 お薬手帳]

[第7章 質問・相談]

[第8章 サービスの実例] ←今ココ

[第9章 おわりに]

 

 

 

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