[服薬指導 ワルファリン] 特別編 心房細動治療ガイドライン2013


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[服薬指導 ワルファリン] 特別編 心房細動治療ガイドライン2013

 

 

 

前章では、ワルファリンの服薬指導のポイントについて考察した。

考察した内容は、主に薬のプロフィールに関する情報についてである。

しかし、ワルファリンの服薬指導は、それだけでは不十分である。

何が足りないのか?

それは、「薬物治療」に関する情報である。

 

ある疾患の基本的な治療戦略は何か?

その薬物治療に使用される薬のラインナップはわかっているか?

使用される薬剤の特徴と使い分けを理解しているか?

これらの問いは、服薬指導や医師との打ち合わせにおいて重要であるが、「薬物治療」を理解していないと返答できない。

このコンテンツでは、ワルファリンの服薬指導の特別篇として、心房細動の「薬物治療」について考察する。

 

 

 

[診療ガイドライン]

「薬物治療」を勉強するとき、どのような方法がベストだろうか?

私は、「薬物治療」のもっとも合理的な勉強方法は診療ガイドラインを勉強することだと考えている。

ガイドラインは、専門医が研究成果をふまえて学会などで作成した標準的な治療指針である。

臨床の現場では、日々発表される膨大な論文や研究結果を勉強するのは至難の業である。

そのため、最新の知見をわかりやすい形でまとめて、定期的に更新しているガイドラインは最上の勉強材料なのである。

このコンテンツでは、ワルファリンが使用される代表的疾患である「心房細動」のガイドラインを材料とし、どのように業務に役立つのかを考えたい。

ここで紹介する「心房細動治療ガイドライン」2013年版は、日本循環器学会、日本心臓病学会、日本心電学会、日本不整脈学会の4学会の合同研究報告であり、5年ぶりに改訂されている。 

 

心房細動は、近年、薬物治療が大きく変化している疾患である。

循環器専門医のなかには「心房細動治療の明治維新」と形容する医師もいるのだが、その最も大きな理由が心房細動に使用される抗凝固薬の新薬が2011年から相次いで発売されたことである。

これらの新薬は、非ビタミンK拮抗性経口抗凝固薬(以下NOACと略す)と呼ばれている。

実は2011年以前は、ワーファリンが主たる治療薬であり、この薬の知識をマスターしておけばよかったのだが、NOACの発売により、薬物治療が大きく変化したのだ。

当然、これらの薬剤の特徴、ワーファリンとの違い、抗凝固療法における位置づけを勉強しなければならなくなったのである。

 

 

 

[心房細動治療ガイドラインのポイント①]「心房細動の治療戦略」

心房細動の治療戦略を考えるにあたり、私自身の恥を告白したい。

それは、心房細動の治療を分かっていないために、治療方法を誤解していたことである。

私は、心房細動の治療の中心は、抗不整脈薬であると思っていたのだ。

心房細動は不整脈の一種なので、なんとなくそのように考えていた。

これが、ガイドラインを読む前の私である。

 

では、ガイドラインにはどのような治療戦略が書いてあるのか?

非弁膜症性心房細動※1の治療(予防)における基本戦略は、心房細動以外の背景因子をどれだけうまくコントロールするかということである。

これまでの大規模臨床試験でも示されているが、心電図が正常になることを目的として治療しても患者さんの生命予後はよくならない。

重要なのは、背景因子の基礎疾患をどうするかなのである。

日本人の心房細動以外の合併症は、高血圧が60%、虚血性心疾患が10%、弁膜症が10~20%程度であり、欧米と比べて虚血性心疾患の割合が少ない。

(心房細動の基礎疾患は、欧米とわが国では分布が異なる。欧米の最近の報告では高血圧が約60%に、虚血性心疾患が25~33%に認められ、弁膜症の頻度は低い。)

心房細動発症の危険因子としては、欧米では加齢、糖尿病、高血圧、心疾患(虚血性,弁膜症)、心不全、多量の飲酒、肥満などが抽出されている。

久山町研究では加齢、心疾患(虚血性,弁膜症)、飲酒があげられている。

最近のわが国の検討で、メタボリック症候群は将来の心房細動発生の危険因子であることが示された。

また慢性腎臓病、喫煙も心房細動発生の危険因子であることがわかってきている。

 

このような治療戦略を理解している場合と以前の私のような不勉強な場合では、服薬指導に大きな差が生じるのは明白である。

そして、その差は服薬指導だけではなく医師への処方提案や患者さんの他の薬の指導内容にまで及ぶのである。

 

※1:非弁膜症性心房細動

心房細動の分類は、弁膜症性心房細動と、非弁膜症性心房細動(NVAF)に分類される。

 •弁膜症性心房細動・・・僧帽弁狭窄症や大動脈弁閉鎖不全症のような弁膜疾患によるもの

 •非弁膜症性心房細動・・・高血圧や糖尿病、心不全、血管疾患、甲状腺機能亢進症、自律神経調節異常などを背景とするもの

つまり、心臓の弁膜が原因で発生するものと、弁膜が原因ではなく他の疾患が背景因子にあるものに分かれている。

ワルファリンやNOACの対象になるのは、主として非弁膜症性心房細動である。

 

さて、心房細動の治療を進めるうえで、もう1つ大切な管理上のポイントがある。

それは、「脳塞栓症の予防」である。

心房細動は、心房全体が小刻みに震え、心房の正しい収縮と拡張ができなくなる不整脈である。

正常な心臓の拍動ではないため、心房収縮が弱くなり、心室の拡張期に十分血液が満たされない状態になる。

そのため心臓の機能が低下し、心臓から出る血液量も約20%減少する。

これが原因で、息切れやめまい、胸苦しさなどの症状を起こしやすくなる。

しかし、最も怖いのは、心臓の血流が滞ることにより血栓が発生しやすくなり、これが原因で脳塞栓症を起こすことである。

脳塞栓症は、発症したときに、ほぼ運命が決まるといってよい。

従って、心房細動の管理上、最も注意すべきことは脳塞栓症の合併である。

そして、脳塞栓症の予防ためには抗凝固療法の適応を判断しなければならない。

この判断についてを②で考察する。

 

 

 

[心房細動治療ガイドラインのポイント②]「脳梗塞と出血のリスク評価」

抗凝固療法の適応の判断は、「脳梗塞や出血のリスク評価」に基づいて実施される。

これは、治療の指針として最も上位であるクラスⅠかつエビデンスレベルAの重要な前提である。※2

 

※2 クラスⅠとレベルAの解説

ともに一番信頼度が高いグレードであるということ。

クラスI:手技、治療が有効、有用であるというエビデンスがあるか、あるいは見解が広く一致している。

レベルA:400例以上の症例を対象とした複数の多施設ランダム化比較試験で実証された、あるいはメタ解析で実証されたもの。

 

抗凝固療法は、「脳梗塞」と「出血」のリスクを評価して適応が決定されるのだが、代表的な評価スコアは以下の2つである。

脳梗塞については「CHADS2スコア」であり、出血に関しては「HAS-BLEDスコア」である。

この評価スコアは、治療方針の理解の他にも業務に役立つ。

特に役立つのは、心房細動関連の論文を勉強するときである。

論文だけではない。新しい抗凝固療法薬の製品情報概要も同様である。

心房細動に関連した資料には、必ず出てくるスコアなのである。

薬剤について収集した情報を理解し、有用性や特徴をまとめるうえで必要な情報なのだ。

 

では、2つの評価スコアについて概要を紹介する。

 

 

「CHADS2スコア」(脳梗塞のリスク評価)

心房細動は、脳梗塞発症のリスクが集積すると発症率が上昇することがわかっている。

そのため、何がリスクでどのくらい集積すると危険なのかを知る必要がある。

このリスクが集積している人は脳梗塞の発症率が高い人になり、抗凝固療法の適応になるわけだ。

その指標になるのが、「CHADS2スコア」である。

 

心房細動では脳梗塞発症のリスクが集積すると脳梗塞の発症率が上昇することが注目され、CHADS2スコア(0~6点)が提唱されている。

本スコアは簡便で有用であることから脳梗塞のリスク評価としてまず行うべき評価法である。

同スコアの点数が高いほど脳梗塞発症のリスクが高くなり、2点以上で年間脳梗塞発症率が4%以上と高くなる。

 

6CHADS2スコア

 

ちなみにガイドラインでは、抗凝固療法薬をこのスコア別に推奨している。

これは、薬剤師が知っておくべき、薬物治療の重要なポイントである。

以下に概要を紹介する。

 

・CHADS2スコア1点の場合

CHADS2スコア1点の症例へワルファリン療法を行った場合、脳梗塞予防効果が出血性合併症発症率を十分に上回ることが明らかでないため、ワルファリン療法は「考慮可」にとどまる。第Ⅲ相試験のサブ解析から、ダビガトランとアピキサバンはCHADS2スコア1点で「推奨」に値すると判断されている。

リバーロキサバンとエドキサバンは第Ⅲ相試験にCHADS2スコア1点の症例を含まないため「考慮可」との記述にとどめた。

 

・CHADS2スコア2点以上の場合

CHADS2スコア2点以上では、すべての抗凝固療法薬が「推奨」されている。

CHADS2スコアの危険因子以外の危険因子として、心筋症、年齢(65~74歳)および心筋梗塞の既往や大動脈プラーク、末梢動脈疾患を含む血管疾患がある。

これらの因子を有する症例では抗凝固療法の有用性が十分には検討されていないので各抗凝固療法を「考慮可」とした。

つまり、ワルファリンはCHADS2スコア2点以上の血栓塞栓のリスクが高い患者に推奨される。

これは、ワルファリンの血栓塞栓予防効果と頭蓋内出血の副作用を天秤にかけた結果といってよいだろう。

 

 

「HAS-BLEDスコア」(出血のリスク評価)

一方、脳梗塞の予防で使用される抗凝固療法は、その薬理作用上、出血の副作用を必ず考えなければならない。

抗凝固療法の適応と薬剤の優先順位を考えるうえで、出血のリスクを考慮することは必須なのである。

その指標になるのが「HAS-BLEDスコア」である。

 

このスコアはこれまでのものと比較して、より簡便で正確に出血リスクを評価できるため、2010年の欧州心臓病学会(European Society of Cardiology:ESC)ガイドラインに採用されている。

HAS-BLEDスコア(0~9点)で0点を低リスク(年間の重大な出血発症リスク1%)、 1~2点を中等度リスク(同2~4%)、3点以上を高リスク(同4~6%)と評価する。

 

6HAS-BLEDスコア

 

出血に関連して重要なことは、抗凝固療法中の重大な出血関連因子として、75歳以上の高齢、50kg以下の低体重、腎機能障害(Ccr50mL/min以下)および抗血小板薬の併用が指摘されていることである。(RE-LY サブ解析やダビガトラン市販直後調査、J-ROCKET AF Trialからの報告)

また、頭蓋内出血を避けるためには、頭蓋内出血発症率の低い新規経口抗凝固薬の選択、脳内出血関連因子の血圧や血糖の十分なコントロール、禁煙とアルコール摂取過多を避けること、およびできるだけ抗血小板薬の併用を避けることが重要であることも覚えておきたい。

 

次は、ワルファリンに関する情報について考察する。

 

 

 

[心房細動治療ガイドラインのポイント③]「ワルファリン」

ガイドラインを読む前の私でも、ワルファリンはさすがに勉強していた。

ワルファリンは、勉強していないと怖くて患者さんに薬が渡せないからだ。

しかし、ガイドラインを読んで、目を丸くした。

ワルファリンについても情報の更新が必要だったからだ。

私が更新が必要だと思った情報は、「至適抗凝固レベル」と「治療の質の指標」の2点である。

 

今回のガイドラインの改訂項目の1つが、ワルファリンの至適抗凝固レベルである。

ワルファリン療法を行う場合は、PT-INR2.0~3.0でのコントロールが推奨されるのだが、70歳以上ではPT-INR1.6~2.6でのコントロールが勧められるように改訂されたのだ。

日本人向けの目標PT-INR(プロトロンビン時間-国際標準比)レベルについてはこれまで、少数例の検討に基づく成績しかなかった。

それが、7000例を超す集団についての前向き研究(J-RHYTHM Registry)の結果が明らかになり、とくに70歳以上の例にはふさわしいことが改めて示されたのである。

 

もう1つ、ワルファリンで覚えておきたいことは、治療の質の指標である。

ワルファリンの効果は、そのコントロールの質にかかっている。

つまり、患者さんに適合した用量を凝固能検査よりモニターし、キチンと服用し、至適抗凝固レベルを保つことが最も重要なのである。

最近、そのワルファリンのコントロールの質の評価に、治療域内時間割合(TTR:time in therapeutic range)が用いられることが多い。

TTRは、一定の期間のうちPT-INRが治療域内にある期間の割合のことで、ワルファリン療法から益を得るためには、これを60%以上に保つ必要がある。

このTTRは、最近の論文においてワルファリンを対象とした研究では頻繁に出てくる指標である。

 

私にとっては、ワルファリンの服薬状況を良好に保つことの重要性が再認識され、患者さんとのやり取りが変化した。

ワルファリン服用中の患者さんには、服用状況をより意識して確認するようになったのである。

また、服用状況の改善策の引き出しも増やすように心掛けている。

 

 

 

[心房細動治療ガイドラインのポイント④]「非ビタミンK拮抗性経口抗凝固薬(NOAC)」

最後にNOACについて考察する。

薬の情報については、ガイドラインを勉強する必要はないと考える方がいると思う。

薬局や病院で採用された薬剤は、そのプロフィールや特徴を勉強するのが当たり前で、わざわざガイドラインで確認する必要はない。

と、実は私も考えていた。

しかし、個々の薬剤を勉強していると、次のような疑問が湧いてくる。

・この薬は、他の同種同効薬と何が違うのか?

・この薬は、どのような患者さんに使うのがベストなのか?

この質問の答えは、薬剤の使い分けや優先順位を考えるうえで必須なのだが、個々の薬剤を勉強していても解決できない。

この答えの最も良い勉強材料は、専門医のレビューである。

ガイドラインには、それが掲載されている。

例えば、NOACとワルファリンの違いも大変わかりやすくまとめてある。

以下に紹介する。

 

「NOACとワルファリンの違い」

NOACは、ワルファリンの欠点を補うために研究された新薬である。

以下に、NOAC共通のワルファリンとの違いを挙げてみる。

 

=ワルファリンより優れている点=

・効果判定のための定期的な採血が不要であること。

・患者により投与量の調整が不要であること。

・頭蓋内出血発生率がかなり低いこと。

・食事の影響がほとんどないこと。

・薬剤との相互作用が少ないこと。

・効果がすみやかに現れ、半減期が短いこと。(そのため術前処置が簡単。)

 

=ワルファリンより劣っている点=

・高度腎機能低下例では投与できないこと。

・半減期が短く服用忘れによる効果低下が速いこと。

・重大な出血の際の対策が十分確立していないこと。

・患者の費用負担が増加する可能性があること。

 

このように、ワルファリンに比べると、服用に関する注意事項が少ないことが大きな特徴であるとわかる。

また、最も注意するべき副作用の頭蓋内出血の発生率が低い点も、選択の幅を広くしている。

ただし、NOACは使用経験が少なく、これらを使いこなすには多くの経験の蓄積が必要であることを肝に銘じなければいけない。

 

ガイドラインでは、この後NOACの薬剤別の紹介も掲載されている。

実は、この薬剤別の情報もすごく貴重である。

なぜなら、紹介されているデータが最も信頼できる試験に基づいたものであるからだ。

日本のみで発売される薬剤が少なくなった今日、海外で実施された大規模臨床試験のデータが存在する薬も多い。

多くのデータの中で、一番信頼できる試験から臨床成績を紹介してくれる情報は根拠として貴重である。

もちろん、試験データだけではなく、体内動態や用法用量、規格など必要最低限の情報は掲載されている。

個々の勉強の後、情報を整理するのには、最適なのである。

 

おまけとしてガイドラインから私がまとめたNOAC(3品目)の情報を紹介する。

 

「ダビガトラン」

ワルファリンに比べてビタミンK代謝とは直接関係がないため、食物の影響が少なく、原則として効果確認のための定期的採血は不要である。

この薬剤の代謝には肝臓のチトクロームP450は関与せず、80%は腎臓から排泄される。したがって、他剤との相互作用は少ない。

ダビガトランの特徴は、以下の5点である。

・高用量と低用量を選択できること。(2用量ともに試験で検討されている。)

・高用量では虚血性脳卒中をワルファリンより有意に減少させること。低用量で重大な出血が少ないことなどがあげられる。

・上部消化器症状が多いこと。

・腎排泄が80%であることから腎機能低下の影響をより受けやすいこと。

・1日2回投与であること。

 

「リバーロキサバン」

服薬後0.5~4時間で血中濃度はピークとなり、半減期は5~13時間である。

未変化体として腎から排泄されるのは全体の約1/3で、約2/3が肝で代謝を受ける。

本剤はCYP3A4やP糖蛋白の強力な阻害薬との併用は禁忌となっているが、食物との相互作用は認められていない。

リバーロキサバンの特徴は、以下の2点である。

・1日1回1錠でよいこと。

・服薬継続下では脳卒中、全身性塞栓症をワルファリンより有意に減少させること。

一方、デメリットは、以下の2点である。

・現時点ではCHADS2スコア1点以下でのエビデンスが確立していないこと。

・75歳以上や50kg以下の低体重でワルファリンよりも重大な出血や臨床的に有意な出血が多い可能性がある。

 

「アピキサバン」

ワルファリンと比較したアピキサバン固有のメリットは、以下の2点である。

・脳卒中、全身性塞栓症をワルファリンより有意に減少させること。

・重大な出血が少ないこと。

一方、デメリットは、

・1日2回投与であること。

・現時点では臨床経験が少なく、とくに日本人における有用性と安全性がまだ確立されていない。

※アピキサバンの血中濃度はAPTTやPTとは十分な相関関係を示さないといわれている。

 

以上、ガイドラインから心房細動の「薬物治療」を勉強することを考察した。

ガイドラインを読んだことで、具体的に業務にどのようなメリットがあるかも紹介したつもりである。

すべての診療ガイドラインを勉強することは難しい。

しかし、「患者数が多い疾患」、「治療法が大きく変化した疾患」、「初めてガイドラインがまとめられた疾患」については、勉強する意義があるだろう。

このコンテンツが、その勉強のきっかけになれば幸せである。

 

 

 

・心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)は、以下のサイトで閲覧可能

日本循環器学会のホームページ

刊行物<ガイドライン<不整脈 No.8

http://www.j-circ.or.jp/guideline/index.htm

 

 

 

[参考資料]

・心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)

・「抗凝固療法 達人の処方箋」(メディカルレビュー社)

 

 

 

[追記]

このコンテンツは、心房細動治療ガイドライン2013年度版について解説したものである。

ガイドライン発表後、第4番目のNOACであるエドキサバン(リクシアナ:第一三共)が発売された。

 

エドキサバンは、リバーロキサバンやアピキサバンと同様にXa(活性化血液凝固第Ⅹ因子)因子活性を直接的に阻害する。

1日1回投与であるが、投与量は60㎎と30㎎の2用量である。

1回の用量は、使用する疾患、体重、腎機能、併用薬に応じて変更する。

以下に添付文章の用法用量を示す。

 

リクシアナの用法用量(「リクシアナ」添付文章2014年12月改訂(第4版)より引用

○非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制

○静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制

 通常、成人には、エドキサバンとして以下の用量を1日1回経口投与する。

  体重60kg以下:30mg

  体重60kg超 :60mg なお、腎機能、併用薬に応じて1日1回30mgに減量する。

○下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制

 通常、成人には、エドキサバンとして30mgを1日1回経口投与する。

 

NOACの中で唯一3つの適応症を有する国産経口FXa阻害剤である。

ENGAGE AF8試験では、60㎎×1回/日群、30㎎×1回/日群ともにワルファリン群と同等の脳卒中/全身性塞栓症の抑制効果を示した。

また、大出血発生頻度と頭蓋内出血は両用量ともにワルファリン群に比較して有意に少なかった。

つまり、エドキサバンは2用量ともに有効性・安全性のエビデンスが存在している。

 

 

 

[参考資料2]

・「リクシアナ」添付文章2014年12月改訂(第4版) 第一三共

・「抗凝固療法 達人の処方箋」(メディカルレビュー社)

 

 

 

以上

 

 

次章 >> 随時更新していきます。

 

 

 

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