[第4章 わかりやすくする工夫]


前章 >> [第3章 医療用語]

 

 

 

 3  コミュニケーション 

[第4章 わかりやすくする工夫]

 

 

口頭で説明する場合、相手に聞きやすくするための工夫を考える。

原則は3つ、「理解しやすい言葉」で「内容を整理」し、「ゆっくり話す」

3ポイント

 

・「理解しやすい言葉」

医療用語を話すときの注意点として第3章で紹介した通りである。

 

 

・「内容を整理する」

「内容を整理する」とは、説明する内容の項目と順序を整理することである。

まず、説明が必要な内容の項目を抽出する。

たとえば、「効能・効果」「用法・用量」「貯法」などである。

そして、その項目を説明する順序を決める。

①「効能・効果」→②「用法・用量」→③「貯法」→④その他と続く。

説明は、順序に従って進め、「まず、○○から説明します。」「次に××を説明しますね」と話を進めることである。

上の文章を読むと、「なんだ、そんなことかよ。」と思うかもしれないが、説明の内容を整理することは重要である。

自分の薬の標準的な説明順序を構築しておくとよい。

これができていると、患者さんの都合でゆっくり説明できないケースでも対応しやすい。

基本の説明バージョンから、優先順位の高い項目のみを組み立てて説明すればよいからである。

いわば、短時間説明バージョンである。

このようないろいろな場面で応用できる説明をするために、標準的に説明する内容の項目と順序を整理しておくのである。

 

「内容を整理する」テクニックとして特定のテーマで情報を整理する方法がある。

たとえば、患者さんから「薬の種類が多くて飲み方がよくわからない。」と相談された場合である。

この場合には、「飲み方」で情報をまとめるのである。

説明するときには、消去法を用いるとよい。

つまり、わかりやすい飲み方の薬を除いていくのである。

「飲む薬と飲まない薬はこうなりますね。」

「1日1回の薬のうち、寝る前に飲む薬はこれ1種類ですね。」

このように分類し、理解しやすい薬を除いていく。

1種類しか出ていない湿布、眼薬、軟膏、坐薬などは、消去法で除きやすいであろう。

このように単純化すると、患者さんも自分の服用の問題点が具体的になることが多い。

 

 

・「ゆっくり話す」

「ゆっくり話す」は説明を聞きやすくする工夫である。

初めての患者さんは、名前をお呼びしたときの反応と補聴器の有無を観察する。

聴力の支障の有無を確認するためである。

説明で1つの内容が終わったときに少し間を置く。聞き手の頭の中の整理を待つ時間である。

途中で「わかりづらいところがあったらいつでも言ってくださいね。」とはさむと、患者さんから質問しやすい。

聴力が低下している場合、実際の薬を見せながら視覚的な説明も加えて、記憶の強化をはかる。

服薬指導時の注意すべきこととして「聴力低下」の旨を薬歴に記入し、対応するスタッフ全員で情報を共有する。

このような患者さんの薬が変更・追加された場合は次回の来局時に必ず前回指導内容を確認する。

(細かいことだが、紙の薬歴に聴力の低下している事実を記入する場合、「耳が遠い。」などの記述はしないように配慮する。)

 

 

以上が「わかりやすい説明」の原則になる。

ここからは、わかりやすくする工夫ではないが、大切なポイントを紹介する。

ひとつは、患者さんの表情をみながら説明することだ。

あなたは、このような患者さんの会話を聞いたことがないだろうか?

「○○病院の××先生は、パソコンを見ながら説明するのよ。頭きちゃう。」

患者さんの目を見ながら話すことは大切なマナーである。

また、わかりにくい部分を表情で感知できることもある。

 

最後に、あなたは自信をもって説明すること。

そのために勉強し、準備をしよう。

患者さんは、あなたが患者さんを観るようにあなたを観ている。

 

第5章では、高齢の患者さんへの説明を考察する。

 

 

次章 >> [第5章 高齢の患者さんへの説明]

 

 

 

3 コミュニケーション ナビゲーション

[第1章 はじめに・目次]

[第2章 わかりやすい説明が必要な理由]

[第3章 医療用語]

[第4章 わかりやすくする工夫] ←今ココ

[第5章 高齢の患者さんへの説明]

[第6章 説明の工夫]

[第7章 非言語行動]

[第8章 コーチング]

 

 

 

↓ もし良かったら、この記事をシェアしていただけると嬉しいです。