仕事が苦しいと感じているあなたへ


[仕事が苦しいと感じているあなたへ]
2019年6月

このコンテンツは、今の仕事が苦しいと感じている方のために書かれたものである。

仕事は楽しいことばかりではない。
多かれ少なかれ、苦手な業務や相性の悪いお客さま(患者さん)やスタッフがいたり、残業・休日出勤などがあなたを苦しめる。
苦しいことがその人の限界を超えると体調を崩したり、心を病んだりする。
深刻な心身の変調が現れた場合は、「メンタルクリニックへの通院」や「配置転換・休職」「退職・転職」などを考えなければならない。
このコンテンツは、このような重いレベルの方が対象ではない。
健康状態は深刻な状況ではないが、「仕事に行きたくない」方が対象である。

私事で恐縮だが、私は2018年の秋にうつになりかけた。
具体的には、不眠になり、自律神経がおかしくなったのだ。
メンタルクリニックでは、「前うつ症状」と診断され、直ちに就業環境を改善する必要があると言われた。
(そのときの顛末は、別のコンテンツ「服薬指導 抗うつ薬」で詳しく紹介する。)
結局、会社と話し合い、診断の1ヶ月後に退職したのだが、その一ヶ月間は定休日以外1日も休まずに出勤した。
もちろん、毎日苦しかったが、いろいろとモチベーションを高める工夫をして、なんとか勤め上げた。
その工夫をまとめたのが、このコンテンツである。

内容は、
「仕事が苦しいときにやってみるべきこと」
「身体が辛いときにやってみる価値のある工夫」
「仕事の失敗が怖いときに試したいこと」
の3部構成になっている。

「仕事が苦しいときにやってみるべきこと」は、自分の考え方を少し変えて、今の悩みを軽減する工夫と気分転換の方法を中心にまとめた。
「身体が辛いときにやってみる価値のある工夫」は、栄養の補給と休息(睡眠)に関する工夫、「仕事の失敗が怖いときに試したいこと」は、自律神経の調節と自分の自信を取り戻す工夫が主な内容である。

このコンテンツは、問題の解決方法を紹介するものではない。私がまとめたのは、仕事が苦痛なのに「取りあえず、今日は出勤しなければならない」場合のモチベーションを高める工夫である。
たとえ一つでも、あなたの役にたてたなら望外の喜びである。

苦しいのはあなただけではない。

[仕事が苦しいときにやってみるべきこと]
①働くのは「今日一日だけ」と考える。
「もしも、働くのが今日一日だけなら」と考える。今日が最後の一日なら、何をどう働くのがベストなのかを考える。
「どんなに嫌な仕事でも一日なら我慢できるはず」と思い込む。

②現在の自分を客観的に観る。
これは、自己分析のススメではない。
自分の何が不幸で、何が幸福かを見直す作業である。
たとえば、あなたが健康な状態なら、今の自分は「仕事は不幸」だが、「健康なのは幸福」と考える。
また、三度の食事ができていれば、「毎日食事ができることは幸福」と考える。
自分の状態をふり返ってみることで、当たり前だと思っていた幸福を再確認する作業である。

ここで大切なのは、いろいろな世界の現実、実情をみてみること。
世界の貧富の差、途上国のひどい貧困の実態や日本の過去の暮らしなどを知ることは、今の自分の幸福を考えるうえで大切な判断材料になるからである。
自分より不幸な人を知ってから今の自分を考えると、普段は当たり前だと思っていたことが実は幸福だったことに気づく。
「仕事が不幸な自分」から「仕事は不幸だが、○○と××は幸福な自分」に変わる。

③自分の師に教えてもらう。
「自分の師」とは、「この人の言うことなら、疑わずに信じることができる人」のこと。
親や親戚、親友、学生時代の先生など、いろいろなパターンがあるが、知り合いである必要はない。
過去の偉人や本の著者、その他のあなたの尊敬する有名人でOKである。

この師に相談をする。面談可能な方なら、直接会いに行き、悩みを相談する。
知り合いでない場合には、師の書いた本や作品にヒントを求める。
「生きる知恵」や「悩みの対処方法」、「よりよく生きるための考え方」などを学ぶ。

ちなみに私の「自分の師」は「幸田露伴」であり、「努力論」を熟読し、愛知県の明治村にある幸田露伴の住居を訪ねた。

④信じられない地獄を体験した人の体験談を読む
自分と同じように苦しんだ、あるいは自分以上の悩みを克服した人の記録を読む。
オーソドックスな方法だが、現在は書籍だけでなくネットでも情報を得やすいので、より実行しやすい。
私は書籍と「映画」・TVのドキュメンタリーをよく利用した。

⑤感謝する
宗教的な意味ではなく、自分がこの世に生を受け、生きていることに感謝する。
具体的には、自分の存在は信じられないような確率と偶然のうえに存在していることにである。
「地球と太陽の絶妙な位置」「気が遠くなるような時間の経過の果てに生物が生まれたこと」「両親が出会い、結ばれてあなたが生まれてきたこと」が重なり、あなたが生まれてきたのは奇跡的な確率である。
ただ、私の場合は自分が存在していることは奇跡には近いと思ったが、何に感謝すればいいのかがわからなかったので、私は両親(2人とも他界)の写真に毎朝「ありがとう」を言うようにしていた。

⑥「自分で決めた自分の人生だ」と開き直る
すべての責任を自分に持ってくる。そして、受け入れる。すると、不思議に心が楽になる。
人生における選択には、失敗などない。他の選択肢を試すことはできないからだ。別の選択をしたら、今よりも良い状態かもしれないと想像するだけである。
しかし、その選択は今よりも不幸になったかもしれない。
ならばこそ、今の状況でできるベストを考える。

⑦忙しくする
よけいなことを考えなくするために、ビッシリと予定を入れる。
仕事、遊び、勉強、家庭の仕事なんでもよい。とにかく、動く。
ただし、体力があり、睡眠時間が確保できているときにした方がよい。

⑧今の悩みが解決し、自分がレベルアップしたかのように振る舞う
演技である。しかし、不思議と心は楽になっていく。

⑨自分よりスゴイ人を探す
「自分の師に教えてもらう」という項目があったが、その前段階にあたる。
世の中には、ゴツイ人がいくらでもいる。
考え方、目的、生き方、身体能力、経験など。
やっぱりスゴイ人はそれなりの「何か」を持っており、それがあなたの必要としているものかもしれない。
たとえば、「クレイジージャーニー」というTV番組があるが、これなどの絶好の勉強素材である。

⑩歌う
気分転換の工夫のひとつ。
可能であれば、家族や友人と一緒にカラオケで歌って発散する。

⑪感動する映画で泣く、あるいは面白い動画で笑う。
もちろん、映画や動画じゃなくともよい。
感動で泣くのも腹の底から笑うのも、心の気分転換には非常に効果的だ。

⑫日記をつける
自分自身の考えや悩みを整理することが目的。
私の場合は、その日の生活の記録はほとんど書かず、主として仕事の疑問、アイデア、問題点と解決策などをメモしていた。
特に多かったのは問題点で、なるべく具体的に書き、それに対比するように自分なりの解決策を書いていた。
確かに、問題点を具体的にするだけでも効果的である。

⑬趣味に没頭する
気分転換の方法である。オーソドックスだと思うが、自分の状態と趣味の内容によっては実行が難しい場合がある。
私は「本を読む」ことと「映画を観る」ことが趣味だが、心の状態がひどい時期には本を読む気がしなかった。
映画も同様で、TVの「グルメもの」や「岩合光昭のネコ歩き」などの比較的軽い内容や癒し系が精一杯だった。

⑭掃除する
自分の心を「負」から「正」に変える工夫の中では、「適度な運動」に並んで最も効果がある。

⑮適度な運動
心の健康はもちろん、睡眠や食欲にも効く。
湯船にお湯を張り、ゆっくり入浴するのとセットで行う。
「適度な運動」が具体的に何をするかは人によって異なるが、私の場合は「1時間程度の散歩」を週に1~2回程度実施していた。

[身体が辛いときにやってみる価値のある工夫]
自分の場合は、働きだしてから2週間で足(ふくらはぎ、膝上部)がだるくなった。
やがて不眠になり、食欲の低下と倦怠感が出現した。
それに対して行った工夫である。

1)足のマッサージ
足のだるさをとるために実施。足には「豊隆」「足三里」などの疲れをとるツボがあるが、自分はそちらのプロではないので正確な場所はわからない。そこで、膝から足首までを中心に「さする」「もむ」「それらしい場所(押すと気持ちがいい場所)を押す」を行う。素人のマッサージでもかなり楽になった。

2)腰のストレッチ
ゆっくり前屈し、そのまま深呼吸を3~4回。次に腰の部分に丸めたタオルを置いて仰向けに寝て、腰の部分を伸ばす。
腰をゆっくりひねる。これを2~3セット。

3)散歩
疲労感はあってもあえて少しだけ運動してみる。
休日(週に1回)に30分~60分程度。
散歩も含めて運動は、体力が低下しているときや睡眠時間が少ないときは無理をせずに調整いただきたい。

4)ビタミンの補給
毎朝、2種類以上の果物を食す。自分はみかんとバナナをよく食していた。
自分は体重が5Kgほど減少したため、遠慮なく食べていたが、肥満や中性脂肪が高い人は食べる量を調節する。

5)ミネラルの補給
週に一回だけ、サプリのゼリー(マルチミネラル)を服用。

6)木の実を食べる
食欲低下により5Kgほど体重が低下したため、カロリーの高い木の実を少量食べるようにする。
加工度が低く、塩分の少ないものを選ぶ。
具体的に自分が食べていたのは、素焼きのアーモンド4~5粒、干したクコの実を4~5粒程度。

7)風呂に入る
毎日、湯船に浸かる。

8)安眠するための工夫
枕をタオルに変更。タオルを自分の最適な高さに調節してみたところ、かなり具合がよかったため。

[仕事の失敗が怖いときに試したいこと]
①意識的に呼吸をゆっくり深くする
自律神経を整える所作である。主に呼気をゆっくり行う。

②動作の速度をゆっくりにする
自分自身があせらず落ち着いて動いているように振る舞う。ゆっくり動くことで確認したり、考える時間も生じる。

③寝る前に失敗したことと上手くいったこと(あるいは新しく覚えたこと)をノートに書く
帰宅しても仕事の失敗が気になったり、怖く感じているときに効果的である。
可能であれば、失敗したことの対策や改善策を書いておく。自分の気持ちを整理するのが目的だが、結果的に大切な業務レポートになっている。

④朝、起きたら鏡に自分の笑顔を写す
まず、自分の顔を笑顔にしてみる。元気な声で挨拶する。
あなたの気持ちもよくなるだけでなく、あなたに接する人も幸せになる。

⑤有能なプロフェッショナルのように振る舞う
自分が描く理想の自分になったかのように振る舞う。④の「元気な自分のように振る舞う」の応用である。

⑥「仕事の失敗は自分のレベルアップの機会」と自分に言い聞かせる
仕事に失敗したとしても、この失敗は「勉強の機会」であり、この勉強により自分はレベルアップすると思い込む。
仕事に失敗しなかったら、自分は失敗の少ない優秀な人間だと思い込む。

[最後に重要なことを]
このコンテンツは、今の仕事を何が何でも続けるための工夫ではない。
今の仕事が自分の健康に深刻なダメージを与えているのなら、続ける以外の選択肢も検討するべきである。
多少の辛抱や我慢はどのような仕事でも必要だが、心身の健康を害しては何にもならない。

「今の仕事をどうするか」の最終的な判断はあなたがするしかないが、あなた自身の納得のいく人生を送ることを心から祈っている。

以上